物流業界や製造現場などでキャリアを広げるために、フォークリフトの免許を取得したいと思っている方は多いはずです。
最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、実技試験だけでなく学科試験に合格する必要があります。
学科試験の合格率は高いといわれていますが、講習をしっかり受けていないと不合格になる可能性があるため注意が必要です。
本記事では、フォークリフト免許の学科試験の概要や難易度、不合格になる原因を解説します。合格するためのコツも紹介しているため、受験予定の方は参考にしてみてください。

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フォークリフト学科試験の概要
難易度や合格のコツを確認する前に、まずはフォークリフト学科試験の概要を理解しておきましょう。
出題範囲や合格条件、講習内容を理解することで、どのように対策すれば良いのかイメージしやすくなります。特別教育との違いや取得費用も確認しておきましょう。
学科試験が必要な「運転技能講習」と「特別教育」の違い

フォークリフトの免許の種類は、運転技術講習と特別教育の2つに分かれます。どちらを受験するかは、運転するフォークリフトの最大荷重が1トン未満か、それ以上かによって異なります。
特別教育は、最大荷重1トン未満のフォークリフトを運転する場合に受験する試験です。指定の講習を受ければ取得でき、運転技能講習のように学科試験は実施しません。
一方、運転技能講習は最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合に受験する試験です。学科試験・実技試験ともに合格基準を満たさなければ不合格となります。
学科試験の出題範囲と合格条件
フォークリフト運転技能講習の学科試験では、以下の4科目が出題されます。
出題科目 | 問題数 |
---|---|
走行装置・構造・取り扱いに関する知識 | 15問 |
荷役装置・構造・取り扱いに関する知識 | 15問 |
運転に必要な力学に関する知識 | 10問 |
関係法令 | 10問 |
問題数は計50問で、走行や荷役装置の構造・取り扱いに関する知識が15問ずつ、力学・運転法令が10問ずつ出題されます。出題形式は、四択問題のマークシート方式です。
また、合格するには以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 100点満点中60点以上を取得すること
- 各科目で正答率40%以上であること
以下は、学科試験の合格点・配点を科目別にまとめたものです。
出題科目 | 配点 | 合格点 |
---|---|---|
走行装置・構造・取り扱いに関する知識 | 30点 | 12点以上 |
荷役装置・構造・取り扱いに関する知識 | 30点 | |
運転に必要な力学に関する知識 | 20点 | 8点以上 |
関係法令 | 20点 |
たとえば、走行・荷役・力学の3科目で60点を超えていても、関係法令が8点未満であれば不合格となります。
一発合格を目指すには、全科目をバランス良く学習することが大切です。
受験資格とコース別の費用・時間
フォークリフト運転技能講習の受験資格は、18歳以上の人です。実務経験は問われないため、未経験でも講習を受講・受験可能です。
受講料・費用は、受講するコースによって異なります。コースは4種類あり、保有している免許や実務経験の日数に応じて選択します。
コース別の講習時間・受験費用の目安は、以下の通りです。
コース | 講習時間 | 受験費用 |
---|---|---|
11時間コース(1日間) | 学科7時間・実技4時間 | 1万2,000円~2万3,000円程度 |
15時間コース(2日間) | 学科7時間・実技4時間 | 1万6,000円~2万3,000円程度 |
31時間コース(3日間) | 学科7時間・実技24時間 | 3万3,000円~4万2,000円程度 |
35時間コース(4日間) | 学科7時間・実技24時間 | 3万7,000円~4万5,000円程度 |
受験費用はあくまで目安であり、実際には上記の費用に2,000円程度のテキスト代がプラスされます。したがって、相場は約1万5,000円~4万円台後半です。
正確な金額を事前に知りたい場合は、講習を受ける教育機関に問い合わせましょう。
なお、教育機関によっては一部のコースを実施していない場合があります。受講前にホームページなどで実施状況を確認しておくと安心です。
【補足】各コースの講習内容と対象者
フォークリフト運転技能講習のコースは4コースですが、それぞれ講習内容や対象者が異なります。
試験前に教育機関で受ける講習の内容は、出題科目と同様4科目に分かれているのが特徴です。
講習区分 | 講習科目 | 学習範囲 |
---|---|---|
学科講習 | 走行装置・構造・取り扱いに関する知識 | ・フォークリフトの原動機 ・動力伝達装置 ・走行装置 ・かじ取り装置及び制動装置並びに方向指示器 ・警報装置 ・フォークリフトの走行に関する附属装置の構造及び取扱いの方法 |
荷役装置・構造・取り扱いに関する知識 | ・フォークリフトの荷役装置 ・油圧装置(安全弁含む) ・ヘッドガード及びバックレフト並びにラム、バケット ・フォークリフトの荷役に関する附属装置の構造及び取扱いの方法 | |
運転に必要な力学に関する知識 | ・力(合成、分解、つり合い及びモーメント) ・重量 ・重心及び物の安定 速度及び加速度 ・荷重・応力・材料の強さ | |
関係法令 | ・労働安全衛生法 ・労働安全衛生法施行令 ・労働安全衛生規則中の関係条項 | |
実技講習 | 走行の操作 | ・基本操作(定められたコースによる基本走行及び応用走行) |
荷役の操作 | ・基本操作(フォークリフト抜き差し・荷の配列・積み重ね) |
このように学科講習は4科目、実技講習は走行・荷役の基本走行を学びます。
また、どのコースを受けるかは保有している免許や実務経験の日数に応じて選択します。
各コースの受講対象は以下の通りです。
コース | 受講対象の人 |
---|---|
11時間コース(1日間) | 以下の条件を満たしている人 ・大型特殊(カタピラ限定)・大型・中型・準中型・普通免許のいずれかを取得している ・運転特別教育の講習を受けてから3カ月以上の実務経験がある |
15時間コース(2日間) | 以下の条件を満たしている人 ・普通免許以上の免許を取得していない ・運転特別教育の講習を受けてから6カ月以上の実務経験がある |
31時間コース(3日間) | 大型特殊(カタピラ限定)・大型・中型・準中型・普通免許を取得しているが、特別教育の講習を受けてから3カ月経過していない人 |
35時間コース(4日間) | 普通免許を持っていない、かつ運転特別教育の講習を受けてから6カ月以上の実務経験がない |
申し込み前に免許証や実務経験期間を確認し、不明点があれば教育機関に問い合わせましょう。
フォークリフト学科試験の難易度【難しい?落ちたらどうなる?】
フォークリフトの学科試験の難易度がわからず、合格できるのか不安になっている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、試験の難易度や不合格だった場合の対応について解説します。試験当日の不安を少しでも解消するためにも、事前に確認しておきましょう。
フォークリフトの学科試験の難易度は高くない
フォークリフトの学科試験は、講習をしっかり受けていれば合格できるといわれています。
講習では講師が出題箇所や重要なポイントを解説してくれるため、その内容を理解していれば十分に回答可能です。
また、試験はマークシート形式の四択問題のため、回答のハードルも低めといえます。講習をしっかり受け、テキストに沿って復習を行えば合格できる可能性が高いです。
フォークリフトの学科試験に落ちてもすぐに再試験を受けられる
学科試験に不合格になっても、同日または後日に再試験を受けられる場合がほとんどです。
多くの教育機関では、すぐに再試験を受けられる体制を整えています。
ただし、再試験の実施日や追加料金の有無は教育機関によって異なるため、気になるようであれば問い合わせてみましょう。
フォークリフトの学科試験に落ちる主な原因
学科試験に不合格となる主な原因は、講習中の居眠りや内容の理解不足です。
試験は講習内容から出題されるため、授業をきちんと聞かないと出題箇所や重要ポイントを覚えられません。とくに関係法令や安全装置に関する問題、力学、係数などは、単に暗記するだけでは内容を理解できない可能性があります。
講習はしっかり受け、疑問点はその場で解消することが合格への近道です。
フォークリフト学科試験に合格する3つのコツ

フォークリフトの学科試験に合格するには、以下のポイントを押さえて試験に臨むことが大切です。
難易度は低めですが、これらを心がけることで安心して試験を受けやすくなります。事前にポイントを押さえ、一発合格を目指しましょう。
蛍光マーカーで重要箇所を色付けしておく
学科試験に合格するには、テキストの重要箇所をしっかり可視化することが大切です。講師が強調した箇所や出題されやすいポイントは、蛍光マーカーで色付けしておきましょう。
重要箇所が一目でわかる状態にしておけば、試験前の見直しを効率的にできます。色付けした部分を重点的に復習し、一発合格を目指してください。
試験前日は軽い復習だけで睡眠を優先する
学科試験の前日は、軽い復習だけにとどめて睡眠をしっかり取りましょう。睡眠不足の状態では集中力が落ち、簡単な問題でもミスしやすくなるためです。
合格率は高い試験ですが、講習中の居眠りや集中不足が不合格の原因になる可能性があります。
当日のパフォーマンスを高めるためにも、前日は蛍光マーカーで色づけした重要箇所だけを確認し、十分に睡眠を取りましょう。
技能講習補助教材を活用する
「問題に答えられないかもしれない」と不安な場合は、厚生労働省が提供している技能講習補助教材で理解度を高めましょう。
補助教材は外国人労働者向けに提供されている教材ですが、日本語対応の教材を使えば学科試験の基礎を改めて学び直せます。図解や表、イラストなどでわかりやすく情報がまとめられているため、理解不足を補うことが可能です。
テキストだけでは覚えにくい場合は、補助教材を活用してみてください。
フォークリフトの免許は物流・製造現場などで役に立つ
フォークリフトの免許は、物流倉庫や工場など幅広い現場の仕事で役に立つ資格です。
たとえば、パレット積みの荷物の運搬・出荷作業などは、フォークリフトでなければ運搬できないケースも考えられます。そのようなときに資格を保有している人材がいれば、現場責任者も仕事を任せられます。
人手不足が続く物流業界において、フォークリフトの免許を持つ人材の需要は高く、キャリアで長く活かせるスキルのひとつです。
物流・製造現場はもちろん、水道管工事や土木関連業務、造園など幅広い分野で役立つ資格です。
就職や転職時に評価されやすいため、今後物流業界などで活躍したい方は取得を検討してみましょう。
フォークリフトの仕事のメリットやデメリットは、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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フォークリフト学科試験に関するよくある質問
フォークリフト学科試験で覚えられるか不安なときはどうしたら良いですか?
出題箇所を覚えられるか不安なときは、厚生労働省の技能補助教材を活用しましょう。
厚生労働省では、フォークリフト運転技能講習の補助教材を提供しています。イラストなどでわかりやすく解説されているため、講習内容の復習に使えます。
また、苦手分野を重点的に復習するのも大切なポイントです。休み時間や移動時間などをうまく活用し、一発合格を目指しましょう。
フォークリフト学科試験の過去問はありますか?
2025年8月時点で、公式が提供している過去問題はありません。
ただし、オンライン学習アプリや教育機関が独自に公開している問題を参考にできます。オンライン学習アプリは、移動時間やスキマ時間に学習できて便利です。
人によって学習スタイルは異なるため、自分に合った方法で学習を進めましょう。
まとめ|フォークリフト学科試験の合格率は高い!講習を受けて突破しよう
フォークリフトの学科試験は、集中して講習を受けていれば十分に合格できる試験です。
講習で具体的な出題箇所は伝えられるため、講師の話をしっかり聞き、重要箇所は蛍光マーカーで色付けしておくことが大切です。
居眠りや理解不足が原因で不合格になるケースもあるため、計画的に学習を進め、試験前日は睡眠をしっかり取りましょう。
補助教材やオンライン学習アプリも活用しながら、学科試験を突破してください。
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